it

成長の止めあいっこ

二宮くんを応援するようになってからずっとずっとファンとして見たいと願っていたものを、見ました。
わかるはずはないと思っていたけどやっぱりわからなかった。その違和感をちゃんと自分で感じられて本当に良かった。それでも二宮くんがどんな顔をするのかどんな声で言ったのかどんな仕草をしたのか私は知りたかったから、それは「わかって」、一つ一つ確かめていけるのが夢みたいで泣けた。一番見てみたいと思っていたのがすべて終わった後のカテコの晴れがましい顔だったの。どんな顔で頭を下げるのか誇らしげなのか興奮しているのかすっきりしてるのか知りたかった。やっぱり実際見れた顔が一番良かった。泣けた。リアルタイムで居合わせた人に一生かなうはずはないけど、私の中で一つの夢が叶ったの。自分の頭で考えてみたかったの。全然わからないって言ってみたかったの。それに参加する資格が少しでいいから欲しかったんだ。私には何も語る資格がなかったから。見れてよかった。ようやく一つの感想が言える。解釈が言える。同じ土俵に立てるつもりはもちろんちっともないけど、ファンとして、一つの区切りになった気がして。
すべてがわかったとき、稽古帰りに泣きながら帰ったって言ってた。
わかりやすく、噛み砕きやすく、美談や文脈を陳腐に色付ける媒体を、今はもう敵になんてしてないけど、本気で遊ぶ大人たちのそれっきりで手放しで心底ワクワクする空間を、はたちで経験できてよかったね。私の知りえない二宮くんの全部に嫉妬するよー。笑


「色のないモノクロの静かな世界なんだけど、よく見てると、端っこの方からボーっと光が出てきて、それがすごくキレイなんです」
「ふだんテレビで見るドラマってキラキラしててカラフルだと思うんです。自分で目を凝らさなくても、向こうから視界に飛び込んでくるような。そういうものしか知らない人がこの舞台を見たら‘‘こういう世界もあるんだ‘‘ってきっと驚いて、新鮮に感じてもらえるんじゃないかな」
「僕も分かりやすい話は好きだし、素晴らしいと思いますけど、演劇って娯楽だけじゃなくて芸術の部分も含まれてるじゃないですか。だから単純に‘‘観た、泣いた、笑った‘‘じゃなくて、見ながら体のどこかが硬直したり、熱くもないのに汗をかいたりするような、今まで知らない感覚を体験できると思います」
「やけども低温やけどの方が治るのに時間がかかるじゃないですか。これも同じで、温度は低いけどジワジワと来て、気が付くと大きな痕がついてる、そういう話だと思います」
「ふたりが触れ合うシーンがあるんですけど、ただいやらしいだけになったら失敗だと思います。初めて触れ合ったけど、きっとそれが最後なんだな、というせつなさ、このふたりに未来はないんだなという悲しみを」
「演じていると、どんどん寂しくなっていくんですよ。自分が思っている方向とどんどん違う方へ行ってしまうんですよね。話せば話すほど空回りしていく感じで。この作品はラブストーリーですが、一緒にいてこの人とはもう会わないだろうな…と感じることの寂しさみたいなものがある。ーー若いのに妙に大人っぽいというか、すべてを知ってるじゃん?っていう感覚は、多感な年齢の時の方が優れている気がします」
「コメディに限らずたいていの物語は、起承転結という方程式みたいなもののあてはまると思うのですが、今回は、答えがないというか、答えが幾通りもある気がします。台本にかかれていることがすべてではないんです。登場人物の気持ちと言葉が一致してなくて、意味のないことを言ったり、言ったことと違うことを心では考えていたりします。書かれていない部分を探せば探すほど発見があるのだけれど、あんまり早い時期に発見してしまうのがもったいない気がして」
「抱き合うから好きとかじゃなくて、行動にどれもイコールがつかない気がする。イコールを付けたところでもったいない。答えを制限しないで、感じるだけでいいんだと思います」


「今の時代どこでも、僕たちの間に存在する空気はこんなにひんやりして、どこか人肌恋しいとか、何かに恐怖を覚えるとか、あてどもない思いを漂わせている…そんな繊細な感覚が描かれています」
二宮和也君はある種の現代性を持っていて、ひんやりとした寂しさや、他人との間に一定の距離を持っている感覚を演出していて透明に表現してくれます」
「解釈し、解釈されて、‘‘終わり‘‘が来ることへの失望が、私に‘‘書いてどこかへ行く‘‘ことをすすめている、と言えばいいのでしょうか。自分なりのヒューマニズムだと思っています。なにしろ、失望したくないのですから」


ちょうど今の私くらいの年齢で。
私がとやかく言う全てのことより二宮くん自身のコメントが本当に本当に一番道理で核心をついていて、頭がいいなんて陳腐な言葉でほめたくないけど本当に思考が深くて本当に嫉妬する。笑
たくさんの仕事をどれだけ考えてどれだけ頑張って生きて重ねて今の二宮くんができてるんだろうと思うと、すごい人を好きになりすぎてて途方に暮れるよ。うらやましい。自分が恥ずかしい。自分の二宮くんを好きな気持ちに付随してる全部の醜さが本当に恥ずかしい。さいあくだ。
一つの区切りではあるけどもちろん巻き戻せた訳では全くないし私は過去の二宮くんにたいして何もできないから、だから、うん、今とこれから先の居合わせられる全部の二宮くんをしっかり見て応援して後悔がないようにする!しかないって思うの!
ずっと見てたいなぁ。すきだ!